背泳ぎ

背泳ぎ

背泳ぎは他三つの泳法とは違い、唯一仰向けで進んで行きます。主に推進力を生み出すのは腕を大きく使い、手のひらで水をかく動作です。プルとキックで推進力を生み出す点では4泳法の中でもクロールと似ていると言えますが、仰向けでキックを打つので、下半身が沈みやすいという特徴があります。

沈まないようにするために、腕のストローク動作でも、浮力を得る動作が入ります。上図のように、ちょうど飛行機の翼のように浮力を生み出させるようにすることが大切です。また、背泳ぎのストリームラインは、体を伸ばした状態でも体幹にしっかりと力が入っていないと姿勢維持が難しくなります。そのため、競技のレベルを上げるためにも姿勢維持が重要となります。

 

 

1、肩関節や肋骨の動きを作る

背泳ぎは腕を後ろに動かしているイメージがありますが、実際のところ、腕は肩関節や体幹の前方を通過します。プルの際、体をローリングしますが、このローリングが不安定でしっかり出来ていないと腕だけで水をかこうとします。

その動作により、肩関節前方が引き伸ばされ上腕二頭筋長頭腱や三角筋前部線維に負担をかけます。また、肩関節を内旋させながら屈曲し大きく動かすため、内旋筋(肩甲下筋、大円筋、大胸筋、広背筋)が付着している肩関節周囲には負荷がかかり肩関節の炎症へとつながります。屈曲も同時に行われていることで、屈曲筋(三角筋、大胸筋)にも影響が出ます。

それらの故障を防ぐために、肩の筋力はもちろん、ローリングの際に体幹の安定性を保つ腹部インナーマッスルと、プルの際にしっかりと水をかくための肩関節周囲筋が必要となります。

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正しい肩関節の動きを作るために、1回1回の施術で、筋肉の張りや肩甲骨、関節の動きがどこで硬さを生み出しているのか、他で代償をしているのかをチェックします。上図を見ていただきたいのですが、肩を動かそうとした際には、腰の方にある広背筋も腕に付着しているため肩の動きに作用するのです。体全体を見ないといけないという一例ですが、わかりやすいですよね。

また、肩甲骨(肩関節)の動きや腹筋だけでなく、柔軟性の高いことによりキャッチがより可能になる肋骨(胸郭)の動きも重要です。腹筋に力が入ることと肋骨の柔軟性が合わさると、力強い泳ぎを可能にします。

 

 

2、キックをしっかり行う!

背泳ぎのキックがきちんと行えないと足の方から沈んでしまうため、スピードが上がりません。アップキック(推進力)とダウンキック(浮力)のバランスが重要になり、どちらかと言うとダウンキックの割合が強くなります。また、上記記載しましたが、腹部インナーマッスルの安定と骨盤の安定がよりしっかりとしたキックを可能にします。

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足首のスナップが効くように、①すねやふくらはぎ周りの筋肉の緊張をほぐす ②足関節周囲の柔軟力向上を目的として施術をします。
アンバランスになった筋肉のバランスを整えるため、電気療法や手技などですねやふくらはぎ周りの筋肉(前脛骨筋、下腿三頭筋など)を緩めていきます。 
 
また痛めた患部に対しては、急性期から鍼施術も行います。鍼には、傷ついた細胞の再生力を高め、鎮痛効果・除痛効果があります。痛みがなくなった時期からは、固まってしまった足首の柔軟性を高めていく為に、太ももやふくらはぎにある関節の詰まり感をなくしていくようにしています。

また、背泳ぎ中に足を「つる」選手がいます。多くは激しい運動による酸素不足になりがちだからです。また、筋肉を長時間にわたって使うことにより、筋肉自体が緊張し疲労がたまった結果、足をつってしまうのです。

当院では、筋肉の疲労をとるために日頃からグルタミン摂取やO2オイルを使ったオイルマッサージをセルフケアとして行うように指導もしています。短時間で効果的に筋肉を回復することが可能となり、練習や試合の合間にも効果的です。

 

 

3、骨盤を安定させる!

背泳ぎは、仰向けで泳ぐため、4泳法の中でも1番背筋を使います。しかし、背筋を使いすぎてしまうと腰が反ってしまい水の抵抗を受けやすく腰を痛めやすくなってしまいます。また、利き足の方がパワーを出しやすく段々真っ直ぐ進めなくなることがあります。そのため、体幹をしっかり鍛え、骨盤の位置を安定させる必要があります。

逆側の足の力を強くすることに加え、骨盤の位置を左右対称にリセットしておかないと、骨格的なロスをそのままにしていることにもなります。そもそも、使いにくくなっている可能性があります。水の上で仰向けに浮いたままで前に進むわけですから、骨盤が捻じれていると浮いていること自体負担になってきます。

身体に正しいポジションを覚えさせるため、悪い状態に戻ってしまう前に施術を受ける事をおススメしています。選手には、日常生活においても骨盤を歪ませる原因を取り除いていく必要があるということを伝えています。

座っている体勢が続くようでしたら、歩くように心がけたり、あぐらや地べたに座る動作をなくす、足を組むことをやめる等の注意が必要になります。その上で股関節周りに付いている筋肉の強化及び柔軟性向上、骨盤周りの筋肉のストレッチも行い、自分の力で正しい位置をキープできるように指導させていただきます。

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施術は、身体の歪み、筋肉の張り、関節の動きなど全体がスムーズな動きができているかを確認し、局所を改善していくように行います。
インディバ・アクティブやグローブ療法により、細胞を活性化させ、アンバランスになった筋肉のバランスを整えていきます。その後、骨盤周りがしっかりと安定するように骨格の歪みを整え、筋肉がしっかりと動くようにしていきます。

例えばですが、肩関節を動かしている途中ピンポイントで痛みを感じる部分があれば、その体勢のまま引っ掛かりを取っていくイメージでインディバ・アクティブ、グローブ療法や鍼施術を行います。
また、うつ伏せで股関節を動かした時に出てくる引っ掛かりに対しても、インディバ・アクティブ、グローブ療法や鍼施術を行ったのち、しっかり動かすことができるようになったかなど確認します。

痛みがすでに出ている場合は回復を促進させるため、痛みの出ている患部に鍼施術を行い筋肉損傷の回復を図っていきます。鍼施術以外にも、お灸施術も関節の痛みに対して効果が高いので取り入れます。また、自宅ではO2オイルを用いて自分自身でオイルマッサージを行っていくように指導します。以下のトレーニングはすべてに共通しますので、お勧めいたします。

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◆医学用語の意味

挙上:上に上げること。肩関節挙上の場合、手を上に上げること。
内旋:内旋とは内側に捻ること。肩関節なので、肩の関節から下の腕を内側に回すこと。
伸展:関節を伸ばすこと。反対に曲げることを屈曲といい、筋肉が収縮(縮まる)し関節が曲がると屈曲状態になります。
内転:体の中軸に近づくように内方に向かう関節運動のことを指し、肩関節内転だと、腕を脇に付ける動作。股関節内転だと足を閉じる動作のこと。
体幹:手と足を抜いた、胴体部分のこと。

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