バタフライ

バタフライ

バタフライの特徴は、両腕・両足の動作を左右対称かつ同時に行う泳法で、正しいフォームや安定したフォームを作るのが難しい泳法です。また、ドルフィンキックによる全身のうねりと重心移動を伴うため高度な技術を要し、4泳法の中で最も体力的に疲れるのがバタフライと言われています。

バタフライでは正しいフォームが出来ていない時や、オーバーユーズ(使いすぎ)により肩関節と腰部を最も痛めやすいです。特に初心者、高齢者には難しい動き、負担の掛かる運動の連続になりますので、ある程度クロールなどで泳ぎに慣れてから行うようにした方がいいですね。

 

初めて練習するときは、まずビート版を使用してドルフィンキックの練習をしましょう。体をしならせて前進しますが、この時脚だけで進もうとすると練習の段階だけで腰椎を過度に前弯させてしまい、痛める原因となりますのでフォームには十分注意が必要です。

また、そもそも腰が前弯していたり、腰部の筋肉が硬い場合はしっかりストレッチをして柔軟性を出しておくことが重要です。主に腸腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋、ハムストリングスを中心に骨盤に付いている筋肉を柔らかくしておくことをお勧めします。

水の抵抗を最小限にするために、水中で肘を高くして水をかくため常に背筋を緊張させて腰椎を反っています。このような姿勢の保持により背筋は緊張し続け、疲労することにより腰痛を発症しやすくなります。
また、ドルフィンキックによっても腰椎が反りすぎになるため筋膜性の腰痛が生じやすいのですが、低年齢の選手では骨にも負担が加わることで、オーバーユースによる椎骨の骨折である腰椎分離症(※1)を発症するリスクが大きいです。
 
肩関節や股関節の筋肉の柔軟性が不十分だと、体幹を強く反らせて代償するため、肩関節や股関節の柔軟性を高める必要があります。体幹の筋肉(外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)を鍛えることで、体幹が反りすぎてしまうのを防いでくれます。

上記に記した通り、腰が反ることで背部の筋肉の緊張は高くなるだけではないのです。同時に腹部の筋肉は弱くなっていきます。また、股関節周りには多くの筋肉が存在しています。股関節を後ろに引く筋肉(大殿筋やハムストリングス)前に挙げる筋肉(大腿四頭筋、腸腰筋)の前後のバランスが悪くなることで腰の状態にも歪みが生じてきます。

施術方法としては、背部の筋肉の緊張を取り除くと同時に腹部の筋肉をしっかり使えるように施術を加えていきます。さらに、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)・大殿筋(お尻の筋肉)やハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)の緊張を取り除き腰~股関節~下肢の柔軟性を上げます。

ご自宅では、ストレッチ、酸素オイルマッサージを中心に行ってもらいます。特に肩周りは動きを良くしておくために、肩甲骨周りのオイルマッサージがオススメです。自分では手が届きにくく、ほぐすのが難しい部位ですので、パートナーと一緒に肩甲骨の裏までしっかり親指を入れ、肩甲骨と胸郭の関節を動きやすくしておきましょう。
 
当院にお見えになった際は、日常のケアに加え、ストレッチやインディバ・アクティブを組み合わせると効果がより持続しますので、お気軽にご相談ください。

(※1)腰椎分離症:発症リスクは一般人では4~7%、バタフライ選手では22%、一度骨折すると二度とつくことはないと言われています。

 

1 背筋と腹筋などの体幹トレーニングを!

腹筋と背筋のバランスが悪いことで、腰痛の原因になる事があります。また、ドルフィンキックの際に腰部の過伸展(反り腰)が繰り返し起きるため、腰痛を誘発しやすいです。バタフライは左右対称の動きなので、特に左右の筋力バランスも気をつけて利き側に偏らないトレーニングも必要になります。

 

腰痛予防、筋力アップへのアプローチとしてはヒップヒンジという、股関節を蝶番に見立てて行うスクワットをできるように指導していきます。

 

水泳は浮力のために足腰の鍛錬がしにくいスポーツですので、陸上で突然負荷の強い運動をして筋トレをするよりも、体を動かさないスタティック(静的)な筋肉を鍛えて関節部分を強化していきましょう。

 

2 関節の可動域を作る!

バタフライでは、平泳ぎ同様にキック(下半身)の動きがとても重要になります。股関節・膝関節・足関節などの可動性を作ることによりスムーズなドルフィンキックを行いやすくします。

特にキックにおいて重要なのは、セカンドキックで体を起こす動作です。セカンドキックで上半身を起こすときに、キックが弱かったり、腹圧が抜けてしまうと体が浮き上がり姿勢が立ってしまうのです。姿勢が立ってしまうことで、上下の動きがかみ合わない泳ぎになってしまいます。

そうならないためには、腹筋の固定力が必要です。バタフライでは、リズムも大切ですが、腹筋の安定性が極めて重要な要素となります。また、当然肩関節(肩甲骨)などの動きも重要になるのでこちらも可動性を作ります。

また、筋肉を緩ませるだけでなく、背中を伸ばす筋肉(脊柱起立筋や多裂筋など)、背中を曲げる筋肉(腹横筋や腹斜筋、腸腰筋など)の筋力強化と腰部に関係してくる股関節周りの筋肉の柔軟性が必要になってきます。

特に故障しやすい肩関節や股関節の可動域アップと筋力の強化が重要です。初期の段階では柔軟性に重点を置き施術します。肩関節に対してはクロール同様に肩関節から上腕骨に繋がる腱板といわれる筋肉を中心にアプローチをし、肩甲骨のポジションや肩関節の柔軟性または不安定性を確認し、ほぐすべきなのか、筋力強化すべきなのか判断します。

明らかに関節に硬さがある、もしくは硬結が触れる場合にはインディバ・アクティブ、グローブ療法や鍼施術を施します。鍼には、硬くなった筋肉の緊張を取るだけでなく、傷ついた細胞の再生力を高め、鎮痛効果・除痛効果があります。また、神経にも直接アプローチすることができるため、神経の働きも良くすることができます。

 

3 背骨や骨盤の歪み矯正!

股関節から骨盤、腰骨に着く股関節を持ち上げる筋肉(大腰筋、腸骨筋)の柔軟性と筋力検査、位置などを確認します。バタフライ選手では股関節を持ち上げる筋肉が硬くなり、股関節を伸ばしづらくなることで腰椎に負担がかかっていることが多いです。股関節の柔軟性が乏しいことが骨盤の歪みを引き起こすので仙腸関節のチェックも欠かせないのです。
 
実は腰椎よりも胸椎(背骨)の動きが安定したフォームとスピードアップに重要な役割を果たします。また、骨盤の位置が悪い場合は反り腰になり結果、胸部が張って大きな水の抵抗を受け、下半身が沈んでしまい、後方に正しいキックが出来なくなりスピードダウンになります。

歪みを改善し、正しい背骨・骨盤の位置にすることで動きにくくなっている部分もスムーズ動かすことできるようになるだけでなく、除痛効果もスピードアップにも繋がります。

 

4 「うねり」がポイント!

あごの上げ下げ、潜行と浮上をコントロールします。潜りたい時には、あごを引き上げ背中が丸くなる事で潜れます。浮上したい時には、あごを上げ背中が反りぎみになる事で浮き上がれます。

しかし、浮き上がり時には決して腰を反らないようにしないといけません。お腹をへこませ、腹筋に力を入れないと腰が反って腰痛の原因になりますので、必ず陸上トレーニングでドローイン状態の癖をつけるようにしてください。

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施術は、身体の歪み、筋肉の張り、関節の動きなど全体がスムーズな動きができているか確認し、局所を改善していくように行います。インディバ・アクティブやグローブ療法により、細胞を活性化させ、アンバランスになった筋肉のバランスを整えていきます。その後、骨盤周りがしっかりと安定するように骨格の歪みを改善し、筋肉がしっかりと動くようにしていきます。

例えばですが、肩関節を動かしている途中ピンポイントで痛みを感じる部分があれば、その体勢のまま引っ掛かりを取っていくイメージでインディバ・アクティブ、グローブ療法や鍼施術を行います。また、うつ伏せで股関節を動かした時に出てくる引っ掛かりに対しても、インディバ・アクティブやグローブ療法や鍼施術を行ったのち、しっかり動かすことができるようになったかなど確認します。

痛みがすでに出ている場合は回復を促進させるため、痛みの出ている患部に鍼施術を行い筋肉損傷の回復を図っていきます。鍼施術以外にも、灸施術も膝関節の痛みに対して効果が高いので取り入れます。また、自宅ではO2オイルを用いて自分自身でオイルマッサージを行っていくように指導します。以下のトレーニングはすべてに共通しますので、お勧めいたします。

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◆医学用語の意味

挙上:上に上げること。肩関節挙上の場合、手を上に上げること。
内旋:内旋とは内側に捻ること。肩関節なので、肩の関節から下の腕を内側に回すこと。
伸展:関節を伸ばすこと。反対に曲げることを屈曲といい、筋肉が収縮(縮まる)し関節が曲がると屈曲状態になります。
内転:体の中軸に近づくように内方に向かう関節運動のことを指し、肩関節内転だと、腕を脇に付ける動作。股関節内転だと足を閉じる動作のこと。
体幹:手と足を抜いた、胴体部分のこと。

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